101系通勤型電車
1957(昭和32)年6月、初の新性能電車モハ90系として登場し、片側4ヶ所の両開き式扉と車内ロングシートで構成した通勤型電車の基本形となり、前面が3枚つないだ窓と真上に前照灯を設置し、左上に運用番号表示器、右上に行先表示器を設置した。運用は中央快速線から投入し、オレンジバーミリオン(朱色1号)で登場した。大量投入には変電所の増設、コスト削減には全電動車から付随車導入へと改めた。59(昭和34)年6月の称号改正で101系になった。60(昭和35)年の大阪環状線にもオレンジバーミリオンで投入し、山手線はカナリアイエロー(黄色5号)で投入するが、103系の投入によりカナリアイエローのまま総武中央緩行線や南武線は移し、関西本線はウグイスグリーン(黄緑6号)に黄色の警戒帯を追加されている。69(昭和44)年まで1,535両を製造した。78(昭和53)年から後継車である103系や201系の投入により廃車が始まり、中央快速線は85(昭和60)年に、総武中央緩行線は88(昭和63)年に、大阪環状線は91(平成3)年に、南武線は92(平成4)年にそれぞれ撤退し、最後に残っていた南武支線は205系先頭改造車の投入により2003(平成15)年11月28日で引退し、2005(平成17)年に廃系列になった。
譲渡先の秩父鉄道では1000系としてクモハ100+モハ101+クハ101の構成となり、パンタグラフ増設や先頭車の冷房化、ワンマン化と改造された。2014(平成26)年をもって秩父鉄道での運用を引退した。
技術関係では、CS12主制御器、MT46主電動機、DT21台車などを国鉄新性能電車の基本スペックとして確立された。駆動方式には中空軸平行カルダン方式が採用され、継手のスペースを小さくでき、狭軌でも使用可能であり、構造が複雑である。主電動機にはMT46が採用され、旧型電車より高回転・軽量化を実現された。電動台車ではDT21、付随台車ではDT21Tから付随車導入でTR64を採用され、車体の軽量化を図った。ブレーキには自動ブレーキから発電ブレーキ併用電磁直通ブレーキを取り入れた。
〔形式〕
クモハ101/主制御器や主抵抗器、MG(電動発電機)を搭載した上り方(東京方)の制御電動車(Mc)。旧モハ90形500番台奇数番号。
クモハ100/パンタグラフとCP(空気圧縮機)を搭載した下り方(大阪方)の制御電動車(M’c)。旧モハ90形500番台偶数番号。
モハ101/主制御器や主抵抗器、MGを搭載した上り方の電動車(M)。旧モハ90形0番台奇数番号。
モハ100/パンタグラフとCPを搭載した下り方の電動車(M’)。旧モハ90形0番台偶数番号。
クハ101/上り方の制御車(Tc)。
クハ100/下り方の制御車(T’c)。
サハ101/上り方の付随車(T)。旧サハ98の奇数番号。
サハ100/下り方の制御車(T’)。旧サハ98の偶数番号。
鉄道博物館で撮影した101系クモハ101-902
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